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ワンニャンコラムCOLUMN

治療法について

【オゾン療法】オゾンの注腸法、免疫力を上げるための少量自家血療法

今回はオゾン療法についての最終章。
オゾンと免疫機構のお話です。

当院ではオゾン療法として、オゾンの注腸法の他、オゾン化オイルやオゾン化クリームを、そして免疫力を上げるための少量自家血療法を取り入れています。

皮膚病の際にはオゾンの入ったオリーブオイル(オゾン化オイル)やクリームを塗布する事で、炎症を抑える事ができます。少し専門用語になりますが、免疫系でとても大切な因子であるNFκBと言うものがあります。このNFκBは自分にとって異物となるものから自分を守るために動きますが、頑張りすぎると逆に炎症を引き起こしてしまうのです。例えば花粉症の場合にも、異物である花粉を攻撃するための免疫が働くのですが、それが働きすぎると炎症が起こり私たちは不快な症状に悩まされる事になりますね。免疫機能はこのように、働きすぎるとよくない結果をもたらす事が多いものです。

オゾンにはこのNFκBを抑える作用がある事がわかっています。行き過ぎた免疫機能をマイルドに抑える作用はとても大切です。

話が少し逸れますが、ステロイドはNFκBを抑制する事で有名です。
ステロイドは絶対に使いたくない、ステロイドをやめたい、そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ペットの皮膚病の治療においては、ステロイドは「使わない事よりも上手に使う事」が大切です。
これまで長年ステロイドの内服薬も外用薬も使ってきていますが、ワンちゃんも猫ちゃんも、副作用で大変な事態になったという経験は、私は今のところありません。ただし、副作用が全くないわけではないですから、できれば減らしたいしやめたいお薬です。

オゾン化オイルやクリーム、その他漢方薬なども取り入れながらステロイドを減らしたりやめたりできればと思っています。特にオゾンには免疫活性化作用の他にも、殺菌作用や血行促進作用、保湿作用もありますから、皮膚病の場合ステロイドと抗菌薬の塗り薬の代わりにオゾンオイルを塗布する方法もとても良いです。

オゾンの免疫機構と言うサブタイトルからもうひとつ。
人での自由診療でよくある「オゾンクレンジング」は、血液を一定量採取し、そこにオゾンを通して血液をオゾン化します。そして再びその血液を自分に戻すという流れです。
オゾン化された血液中にはすでにオゾンは存在しないのですが、セカンドメッセンジャーと言われる活性化された免疫担当細胞や因子が、身体にとって良い作用をもたらします。
ワンちゃんや猫ちゃんには、ほんの少しの血液を採取しそれをオゾン化し、皮下や筋肉内に戻す方法を用います。

オゾンの作用が多岐に渡っているため、4回もオゾンのお話になってしまいました。
元気がない子や慢性的な病気を抱えている子には、オゾンは試してみる価値があると思っています。オゾン療法が気になる方はお気軽にご相談下さい。

参考:「獣医療にオゾンを生かす」鷲巣誠・清水無空 ファームプレス

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