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ワンニャンコラムCOLUMN

治療法について

【漢方】ペットにも漢方1

当院では鍼灸に加え、「飲む漢方」と「塗る漢方」を扱っています。
今回はペットに漢方ってどうなの?いつもの薬だけで十分なじゃいの?と言うお話です。

西洋医学と中医学

私たちが大学で学び診断や治療に用いている知識は西洋医学で、一般に使う薬は化学的に合成されたものがほとんどです。一方、中国伝統医学(中医学)は大学の授業とは別に学ぶ必要があり、実際に使う薬や手法は漢方だったり鍼灸だったりします。
正しくは中医学と漢方は別物で、中医学は中国で4000年も昔から伝わる医学であり、漢方は中医学を元に日本で独自に発達したものです。どちらも西洋医学に対し東洋医学と言われる分野に入ります。東洋医学には他にもアーユルヴェーダなどの伝統医学が含まれます。

違いをイメージ

では西洋医学と中医学の考え方の基本的な違いを“木”に例えてみましょう。

庭に木があるとします。
ある日ふと気づきます。あれ?枝が腐っている。
あなたはどうしますか?
まずは枝を切るでしょうか。
新しく枝が出てきて、再び素敵な木が育てば一件落着。
でもまた違う枝が腐ってしまいました。
新しく生えてきた枝も健康には見えません。
そんな時はどうしますか?

上ではなく下を見てみますよね。
土に栄養がなく、根っこが弱っている事に気づくかもしれません。
肥料をあげて元気な木に育てる事ができるかもしれません。

枝を切る方法が西洋医学。
根っこを見るのが中医学です。

西洋医学的アプローチ

病気やケガになった時、第一に西洋医学の手法で悪いところを取り除き、外部から侵入した細菌やウィルスをやっつける事を考えるべきです。西洋医学は多くのエビデンスがあり、手法も薬もピンポイントで早期に効果を発揮しますから、当院でもまずは西洋医学を考えるスタンスです。
しかしながら、西洋医学的なアプローチをしても、人間も動物もみんな同じように治るとは限りません。「ロボットみたいに同じ治療をしたら同じように治ってくれたらいいのに」と思う事もあります。でも動物はロボットではなく、体質や性格、気候や環境など多くの要素が組み合わさって身体の状態が作られています。また、慢性疾患はじわじわと身体を蝕んでいる状態で、西洋医学で治る範疇を超えているかもしれません。ここが西洋医学の弱点とも言えます。

中医学的アプローチ

4000年の伝統と経験が豊富な中医学では、今現れている症状を体質からも分析します。生まれた月、環境、性格など様々な角度から「なぜその症状が現れているのか?」を明らかにしていきます。西洋医学にはない、受け止める側全体からのアプローチとなります。
このような方法で症状を捉えるため、漢方による治療を始めると今現れている症状だけでなく全身状態が改善する事があります。また、再発しにくい体質になる事が期待できます。
さらに、今は症状が出ていないけど、将来このような病気になるかも?と言う予想が立てられるので、病気になる前から対策が立てられます。これを「未病を防ぐ」と言います。

時代は中西結合医学へ

治療の選択肢が増えるのはとても喜ばしいと思いませんか?私たち日本人は昔から鍼灸や漢方と言う選択肢も持っています。ところが、これまでの獣医療においてはエビデンスや経験が不足していたため、どのような漢方をどのくらいの量使ったらいいかが明確ではありませんでした。
近年、尊敬すべき多くの獣医師の先生方の努力が実り、伝統ある中医学を取り入れた「中西結合医学」をペットにも用いる事ができる時代になりました。

皮膚病や慢性疾患に強い

皮膚病や慢性疾患は、外部からの影響とともに身体側の対策を考えなければならない疾患です。
当院の朝井は中医学を基礎から学び「飲む漢方」と「塗る漢方」を取り扱っています。名古屋ではまだ多くない「中獣医鍼灸師」の認定も受けています。
皮膚病や慢性疾患に悩むペットのために、漢方や鍼灸による治療が気になる方は、是非一度ご相談下さい。体質を分析するためには、一般的な診察よりも時間をかけてお話を伺います。自分のペット=家族について、より理解が深まるのも嬉しいですね。

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