オゾン療法ってなに?
コラム第二弾は代替補完医療のひとつとして活躍するオゾン療法についてです。
オゾン療法、結構書きたい事が多くてなんと今回から4回連載予定になってしまいました。大切なワンちゃん猫ちゃんのために、少しでも興味を持って頂ければ幸いです。
当院ではオゾン療法を取り入れています。
と言われても、オゾンって何?となりますね。
オゾン層破壊が問題になっていたり、オゾンによる空気清浄機が売り出されていたりするので、気体である事はご存じかもしれません。
酸素がO2でオゾンがO3です。とても不安定であり、産生されてもすぐに酸素になってしまいます。また、もし高濃度のオゾンを私たちが吸うと、気管や肺の細胞が壊れてしまいます。このため、気体ですがオゾン療法では呼吸器からは吸いません。
オゾンを私たちの身体に取り込む方法は主に3つあります。
1つ目は、肛門から直接腸に注入する直腸法。
2つ目はオゾンを含んだオイルやクリームを皮膚に塗布する方法。(身体の中には取り込まれませんが)。
3つ目は大量自家血療法や少量自家血療法。人ではオゾンクレンジングと呼ばれる大量自家血療法が主流かと思います。血液を採取してその血液とオゾンを体外で混ぜ合わせた後に再び体内へ戻す方法です。これは美容の世界でもさかんで、オゾンクレンジングで検索するとたくさん出てきます。私は試した事はありませんが、身体がキレイになった感が出そうです。
当院でも犬猫には注腸法とオゾンオイルの塗布を用いています。血液を採取する場合には、少量自家血療法を採用しています。
ではオゾン療法を行う理由はなんでしょうか?
オゾン療法で期待できる効果
- 細胞の抗酸化能の強化
- 抗炎症作用
- 免疫系の穏やかな活性化
- 血液循環の改善
と言われています。
病状としては、がん、動脈硬化症、高血圧症、糖尿病、慢性腎疾患、慢性肝炎、神経変性疾患などの場合のQOLの向上が期待できます。
先ほど書きましたが、オゾンは不安定なので、産生されてもすぐに酸素になってしまいます。そのためオゾン発生器によって作りその場で使用する事になります。当院ではオゾン発生器を往診車に載せており、必要な時に必要な量だけ作れます。
オゾン療法は、通常の治療薬や処置との併用も可能な身体に負担のない方法です。気になる方は是非一度ご相談下さい。
参考:「獣医療にオゾンを生かす」鷲巣誠・清水無空 ファームプレス