犬に餌やった?
記念すべきコラム第一号は食べ物の話です。
私が子供の頃の話ですが家族の間では普通に「犬に餌やった?」と言っていました。餌はうちの近所ではビタワンか愛犬元気の2択。でも飼っていたのは2㎏のマルチーズ(名前はメリー)だったのです。ビタワンも愛犬元気も食べませんよね。デパートで買ってくる切り落としのハムだけは美味しそうに食べていて、祖母が「メリーは美味しいものはわかっとるね」と話していました。切り落としのハムも全く良い食事とは言えませんが、昭和50年代の私たちの食事は駄菓子も含めて添加物いっぱいだったので、特に身体に悪いものとは思わなかったのです。
メリーは10歳の時に乳腺腫の手術をしてその日に亡くなりました。その頃は10歳でも長生きと言われていました。今では15歳は当たり前で、18歳~20歳の子も多くいます。
ご長寿の秘訣のひとつにはドッグフードの改良もあると考えられます。
食べ物はとても大切です。中医学でいう「気・血・津液」全ては、生まれ持って備わっているものと(先天の精)、生まれてから摂り入れている食べ物(後天の精)+空気(清気)でできています。今うちにはメープル、ロブスター、カエデの3匹のトイプードルがいます。できるだけ手作り食にしていますが、どうしても足りないカルシウムはサプリメントで補う、(トッピングの)ドッグフードは当院でも取り扱いのあるオリジンかジウィピークなど良質なたんぱく質を多く含むものにする、おやつはヨーグルトや野菜や海苔にする・・・などの工夫をしています。
病気になってから元の身体に戻すのはとても大変なので、普段の食生活で病気になりにくい身体を保つ事を心がけたいものです。手作り食についてはまた後々コラムに書きたいと思っています。
昭和の「犬に餌やった?」が、平成、令和になり「わんちゃんにご飯あげた?」となったのか、私の意識が変わっただけなのかはわからないですが、言葉には気持ちが表れると思います。せっかくご縁があって家族になったペットですから、身体も心も大切にしてあげたいですね。